バイエッタ/世界初のGLP-1製剤

BETTER CONTROL BYETTA

▼バイエッタとは?

エキセナチド注射剤「バイエッタ」は世界初のGLP-1受容体作動薬で、GLP-1と呼ばれる種類の2型糖尿病の注射薬です(注射剤ですが、インスリン代替薬ではありません)。インスリン製剤とは違って細かな用量調節が不要のため、投与が簡便というメリットがあります。有効成分のエキセナチドは、トカゲの唾液から取り出した物質ということです。

▼糖尿病とは?

糖尿病には1型と2型が存在します。1型糖尿病は、膵臓に存在するβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する組織が、主に自己免疫によって壊れてしまっている状態の病気です。インスリンが分泌できないため、血糖が高くなってしまいます。基本的にインスリン注射を打って、治療します。「バイエッタ」は注射剤ですがインスリン注射ではありません。1型糖尿病の患者には、インスリン製剤による速やかな治療が必須です。GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌がなければ効きませんので、1型糖尿病には使用しません。

一方で2型糖尿病は、生活習慣や肥満などによってインスリンの効きが悪くこなることで発症する病気です。血糖値を下げる唯一のホルモンはインスリンですが、インスリン以外にも重要な物質として“インクレチン”と総称されるGLP-1があります。GLP-1は食事の摂取が合図となって分泌されるホルモンです。GLP-1は膵臓に作用することによってインスリンを分泌させる働きがあり、これによって血糖値を下げることができます。しかし、本来のGLP-1は酵素DPP-4によってすぐに分解されてしまうという特性があります。「バイエッタ」は“GLP-1と同じ作用だが、身体で分解されにくい物質”として開発された製剤で、簡単に云うと「バイエッタ」には“インスリン分泌を間接的に増やす効果”があるということです。

▼基本は、食事・運動療法

2型糖尿病治療では、食事療法、運動療法、薬事療法の3つが基本とされています。薬を使う前にまずは食事の改善や運動療法が試されます。そして、食事療法や運動療法を行っても血糖値の改善が見られない場合に、基礎インスリン製剤やインスリンの効果を高める薬を併用して、血糖をコントロールします。「バイエッタ」は、長時間に渡ってインスリンの基礎分泌を補う持効型溶解インスリン製剤や、中間型インスリン製剤との併用が可能な医薬品です。つまり、空腹時血糖値を低下させる基礎インスリン製剤と、食後高血糖を改善する「バイエッタ」を併用し、トータルで血糖値をコントロールするのです。

▼低血糖を起こしにくい

糖尿病治療薬の深刻な副作用として低血糖がありますが、GLP-1受容体作動薬である「バイエッタ」(有効成分:エキセナチド)は血糖が低い時は機能せず、血糖が高い時のみに効果を発揮するため、低血糖を発症するリスクが比較的少ない薬です。難点は他のGLP-1アナログ製剤と同様、価格でしょうか。1本9千〜1万円程度するので、3割負担で約3千円。最高量で使用した場合、月に6千円程度費用がかかります。併用が基本ですので、これ以外にも費用がいろいろとかかってきます。

▼バイエッタとリキスミアの違い

「バイエッタ」は「リキスミア」(リキシセナチド)と構造が類似していますので、その特徴も似ていて、大きな作用の違いはありません。「バイエッタ」と「リキスミア」の違いは、「バイエッタ」は半減期が短いので1日2回注射が必要で、「リキスミア」は1日1回で済むという点です。また「バイエッタ」はSU剤と併用しなければならないので、「リキスミア」に比べて低血糖を起こしやすいです。「リキスミア」はGLP-1製剤の中では唯一「ランタス」のような持効型インスリンとの併用が可能となっています。薬剤統計学的に有意差はないとされていますが、血糖降下作用は「バイエッタ」と比較して「リキスミア」の方がやや弱いとの報告があります。


▼バイエッタとビデュリオンの違い

「バイエッタ」と同じエキセナチド注射剤「ビデュリオン」の特徴は“持続性”で、週1回投与のGLP-1製剤として発売されている注射剤です。「ビデュリオン」の登場で「バイエッタ」の使用頻度は減っていますが、それでもそれぞれに特性があるので、上手く使い分けはされているようです。「バイエッタ」は食欲を抑えたいと思う時間帯に薬を効かせることが出来るので、例えば「夜中にラーメンを食べたくなるのを我慢したい」という人に適しています。一方「ビデュリオン」は持続性なので、「いつも漠然と食欲がない」という状況を維持したい人に向いています。

▼GLP-1受容体作動薬市場の動向(2019年9月:追記)

国内のGLP-1製剤市場は、2018年度で380億円程度(薬価ベース)と試算されています。市場は、2017年度から25%ほど伸びています。

売上トップは「トルリシティ」で、市場の60%を占めています。2018年度の売上金額は約231億円で、2019年度は280億円まで伸びると予測されています。

2位の「ビクトーザ」は130億円で追いかけていますが、その差は年々広がっている状況です。3位以下の「リキスミア」「バイエッタ」「ビデュリオン」は、あまりぱっとしないという状況です。

GLP-1受容体作動薬はこれまで、“注射する”という煩わしさが障壁になり、売上は限定されたものでした。しかし、針に触れずに簡単に打てる「トルリシティ」が発売されると、糖尿病治療薬に占める割合は約7%まで上昇しました。GLP-1受容体作動薬は、心血管系のリスクを減らす作用なども評価されており、再び脚光を浴びつつあります。

▼広告のキービジュアル

広告のキービジュアルは、笑顔で食事を愉しむ中年女性の写真。「バイエッタ」で上手く血糖をコントロールして、食事療法のストレスを減らし、QOLを向上させるというイメージでしょうか。何気ない日常の生活を取り戻すということが、人にとっての本当の幸せだということを表現しているように感じます。


製品名:バイエッタ皮下注5μg,105μg ペン300
一般名:エキセナチド
エキセナチド注射剤/GLP-1受容体作動薬
アストラゼネカ
ブリストル・マイヤーズ

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